ライトノベル新人賞&大賞の応募数と倍率は?受賞作と傾向を調べてみた

ライトノベル新人賞に応募するにあたって、各レーベルの競争率、倍率というのは気になってくる点ですよね。

自分の作品の出来もそうですが、運悪く傑作と投稿が重なるとどうしても順位が低くなり、入選できないということにもなりかねません。

作品そのものが優れているなら同時入選というケースもあり得るのですが、ライバルが少ないほどに入選確立が上がるのも現実です。

というわけで、今回は各レーベルの過去の応募総数と入選作品数を調べてみましたので、ライトノベル各賞の競争倍率と傾向にご参考ください。

ラオンベ新人賞と大賞ってどこがいいのかな?

応募の時期とジャンルの傾向かな。人気レーベルほど競争率は高くなっちゃうからそこもチェックしてみてね

目次

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ライトノベル新人賞&大賞の応募数と競争倍率

まずは結論として、各ライトノベルレーベルの新人賞と大賞の応募数と競争倍率を一覧としてみました。

(目安応募数は過去10年分から見て、直近の開催ほど強めに見た数字です。目安倍率は、応募数から入選作品数を割ったもので、入選競争倍率の目安の数字となっています)

ライトノベル新人賞&大賞 目安応募数 目安倍率 過去の受賞作品
MF文庫Jライトノベル新人賞 2000作品 400倍
集英社ライトノベル文庫新人賞 700作品 300倍
講談社ラノベ文庫新人賞 300作品 100倍
電撃小説大賞 5000作品 700倍
GA文庫大賞 1200作品 250倍
小学館ライトノベル大賞 1200作品 250倍
HJ文庫大賞 500作品 150倍
講談社ラノベチャレンジカップ 600作品 150倍
オーバーラップ文庫大賞 600作品 200倍

ライトノベル各賞の数字としてはこのような感じですね。過去の受賞作品へのリンクも貼っておきますので、受賞作や傾向のチェックなどにご参考ください。

傾向としては、電撃小説大賞が頭一つ抜けて競争率が高く、意外に新人賞の競争率も高めの結果となりました。講談社のラノベ賞が狙い目の数字でもありますね。

賞を選ぶ理由は好みのジャンルや既刊作品という部分も大きいとは思いますが、賞の開催時期が被っていて、どの賞に送るか迷っている場合は、競争率が低い賞を狙う方がおすすめでもあります。

おすすめの新人賞や大賞についてはこちらもご参考ください。賞金額や締切日も一覧としています。
ライトノベルおすすめ新人賞&大賞

一番競争率が高いのはやっぱ電撃文庫なんだね

うん。電撃にMF文庫が続く感じだね。そこは毎年変わらないよ。各レーベルの受賞作品も見てみようか

電撃小説大賞の傾向

まずはライトノベル賞の中でも、最も人気で倍率の高い電撃小説大賞の過去10回分の数字を調べてみました。

応募総数と入選作品数を割って倍率を出しています。

電撃小説大賞(賞金最大300万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
24回 727 5088 7 「タタの魔法使い」

「この空の上で、いつまでも君を待っている」

23回 610 4878 8 「86―エイティシックス―」

「君は月夜に光り輝く」

22回 573 4580 8 「ただ、それだけでよかったんです」

「トーキョー下町ゴールドクラッシュ!」

21回 632 5055 8 「ひとつ海のパラスアテナ」
「φの方石(ファイのほうせき) ―白幽堂魔石奇譚―」
20回 728 6554 9 「ゼロから始める魔法の書」

「博多豚骨ラーメンズ」

19回 760 6078 8 「アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム」

「きじかくしの庭」

18回 661 5293 8 「エスケヱプ・スピヰド」
17回 538 4842 9 「シロクロネクロ」
16回 575 4602 8 「幕末魔法士 -Mage Revolution-」
15回 506 3541 7 「アクセル・ワールド1 -黒雪姫の帰還-」

これは他のレーベルと比べてもダントツの数字で、特に応募総数がずば抜けています。

そして、受賞作品が多いというのも特徴的で、良い作品は落とさずに入選させる傾向が強いのでしょう。

競争率も高いですが、作品のクオリティに自信があるのなら第一に狙って行きたいレーベルで、個人的にもおすすめの小説大賞のひとつとなっています。

受賞作品のジャンルは幅広く、ファンタジー中心とはなっていますが、SFや恋愛物といったジャンルでも受賞が狙える傾向もありそうです。

MF文庫Jライトノベル新人賞の傾向

次にMF文庫Jライトノベル新人賞です。1年を4期に分けての締め切りが特徴的ですが、ここでは1年4期まとめての集計としてみました。

MF文庫Jライトノベル新人賞(賞金最大300万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 最優秀賞
13回 322 1930 6 「僕の知らないラブコメ」
12回 530 1590 3 「テクノマギア・モンスターズ!」
11回 305 1525 5 「白盾騎士団・営業部」
10回 459 1836 4 「Yの紋章師」
9回 326 1956 6 「人間と魔物がいる世界」
8回 156 1710 11 「白銀新生ゼストマーグ」
7回 249 1246 5 「豚は飛んでもただの豚?」
6回 177 1240 7 「変態王子と笑わない猫」
5回 137 961 7 「まよチキ! ~迷える執事とチキンな俺と~」
4回 137 957 7 なし

年間の応募数が2000弱ということで、電撃小説大賞に次ぐ応募数となっています。

ただ、入選作品はそこまで多くないために、競争倍率もそれなりの高さで、新人賞と言っても作品のクオリティが求められる傾向も当然です。

そしてなんと言っても、年4回という応募締め切りが設けられているので、審査結果が3か月スパンでわかるというのが魅力でしょう。

応募者全員に評価シートが貰えるのも嬉しい点ですね。

評価ポイントは、「キャラクター」「ストーリー」「世界観・アイデア」「構成力」「文章力」でそれぞれ細分化されて5段階評価してもらえます。

受賞作品は比較的幅広く、ファンタジー以外でも受け入れられる傾向も見られ、恋愛ラブコメ系ならMF文庫Jという選択もおすすめです。

集英社ライトノベル文庫新人賞の傾向

出版大手である集英社のライトノベルレーベル、ダッシュエックス文庫の新人賞です。

集英社ライトノベル文庫新人賞(賞金最大300万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 受賞作品
7回 276 829 3 「エコー・ザ・クラスタ」
6回 169 508 2 「この生まれ変わった世界で」
5回 341 681 2 「断界魔装のパラダイム・シフター」
4回 390 780 2 「カルネアデスリング」
「PHANTOM DARK」
3回 184 553 3 「閉鎖型エデンのノオト」
「棘の忠臣」
「混沌都市の泥棒屋」
2回 441 884 2 「呪術法律家ミカヤ」
「Sっ気のある美少女ボディガードを雇ってしまったので、いつも敢えて死にそうな目に遭わされたのちに護られる俺。」
1回 306 611 2 「ウィッチハント・カーテンコール」
「五色の魔女」

応募数は1000未満ということで、競争率は低めかもしれませんが、入選作品数も少ないために倍率は低くはありません。

受賞作品としては、ファンタジーが多めではありますが、キャラクター重視という印象もあります。これは漫画からの影響もあるかもしれませんね。

講談社ラノベ文庫新人賞の傾向

続いても、出版大手である講談社のライトノベルレーベル、講談社ラノベ文庫の新人賞です。

講談社ラノベ文庫新人賞(賞金最大300万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
7回 116 348 3 「夢の続きを。」
6回 75 373 5 「自殺するには向かない季節」
5回 98 293 3 「天翔の飛竜騎兵」
4回 99 298 3 「紙透トオルの汚れなき世界」
3回 46 228 5 「ハロー・ワールド」
2回 67 333 5 神様のお仕事
1回 222 1109 5 「魔法使いなら味噌を喰え!」

第1回からの減り方が少し気になるところでもありますが、未デビューの新人さんが減ったことが関係しているのかもしれません。倍率から見るとかなりおすすめの新人賞です。

ジャンル傾向としては少し文学的な方向でもある印象で、ファンタジー以外でも受賞を狙える面があるでしょう。

まだヒット作が出ていないようにも思えるので、これからキラータイトルが出れば賞の格も上がっていくのかもしれませんね。

講談社ラノベチャレンジカップの傾向

続いて、講談社の新人賞ではないラノベチャレンジカップです。賞金は100万円となっていて、他の賞と比べると少し安く感じてしまうかもしれません。

講談社ラノベチャレンジカップ(賞金最大100万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
7回 167 502 3 「Fools and smoke」
6回 134 403 3 「猫のいる店、猫のいた場所」
5回 88 353 4 「ツール・ド・ガールズ!!」
4回 78 310 4 なし
3回 85 254 3 「ドラグーンズ・メイル」
2回 38 150 4 「女子には誰にも言えない秘密があるんです!」
1回 96 384 4 「魔法少女地獄」

応募数は500程度で、入選数も安定しているので競争倍率は低めとなっています。

こちらも新人賞と合わせて狙い目のラノベ賞となりそうで、ファンタジー以外も狙えそうな受賞作品の傾向だと思います。

【追記:2019年から講談社ラノベカップは無くなり、講談社ラノベ文庫新人賞に統合されることになりました】

GA文庫大賞の傾向

GA文庫のラノベ大賞ですが、こちらは応募数が多めで人気なのに対し、大賞の厳選が特徴的です。

GA文庫大賞(賞金最大300万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
10回 241 1204 5 なし
9回 257 1287 5 なし
8回 221 1546 7 なし
7回 188 1319 7 なし
6回 133 1061 8 なし
5回 184 1287 7 なし
4回 136 955 7 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」
3回 146 1019 7 なし
2回 199 796 4 なし
1回 56 611 11 なし

入選作品や優秀賞は多めで競争倍率としては低めですが、大賞が第4回受賞の「ダンまち」のみというプレミア感です。

第1回受賞作品の「這いよれ! ニャル子さん」優秀賞止まりですし、大賞はかなり厳選しているのでしょう。

大賞を受賞できるほどの作品を生み出すことができれば、「ダンまち」のように大きく売り出してもらえる可能性も高そうな夢のあるレーベルのひとつに感じます。

小学館ライトノベル大賞の傾向

小学館のライトノベルレーベル、ガガガ文庫のラノベ大賞です。

小学館ライトノベル大賞(賞金最大200万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
12回 215 1077 5 なし
11回 266 1328 5 「平浦ファミリズム」
10回 226 1128 5 なし
9回 234 1172 5 なし
8回 249 1246 5 「機械仕掛けのブラッドハウンド」
7回 187 936 5 「祝園の短い歌」
6回 166 829 5 「りあモンっ!」
5回 161 803 5 なし
4回 121 606 5 「あやかしがたり」

応募数が安定して1000を超えてきて、集英社と講談社と比べても人気の数字となっています。

大賞受賞作品こそ少なめで厳選されている傾向ですが、入選数は安定しているので競争倍率としては狙い目と言ってもいいでしょう。

HJ文庫大賞の傾向

ホビージャパン社のHJ文庫大賞です。小説家になろうでのHJネット小説大賞もおなじみとなってきましたが、今回はレーベル単独主催のHJ文庫大賞のみの数字を集計してみました。

HJ文庫大賞(賞金最大100万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
12回 185 555 3 なし
11回 109 547 5 「常敗将軍、また破れる」
10回 65 325 5 「陰険女装陰陽師と奴隷少女の事件簿」
9回 79 475 6 「凡人コンプレックス」
「命がけのゲームに巻き込まれたので嫌いな奴をノリノリで片っ端から殺してやることにした」
8回 95 473 5 「光刃の魔王と月影の少女軍師」
7回 92 461 5 「時の魔王と三つの物語」
6回 125 499 4 「迷える魔法使い」
5回 109 437 4 「ナイトメアオブラプラス」
4回 90 361 4 なし
3回 84 335 4 「ルイとよゐこの悪党稼業」

HJ文庫大賞は、第1回~第5回まではノベルジャパン賞という名称でしたが、内容としては同じなので数字も同様に集計しています。

応募数は500ほどですが、入選数が安定していて倍率としては100を切ることもありそうな狙い目の賞かもしれません。

ジャンルによってはおすすめの賞のひとつで、受賞作品が正義一辺倒ではない傾向も見られます。少し斜めの切り口の作品だとウケがいいかもしれませんね。

オーバーラップ文庫大賞の傾向

最後に、歴史としては比較的浅めでですが、最も新しいラノベレーベルと言ってもいいオーバーラップ文庫です。

小説家になろうでのネット小説大賞は省き、レーベル単独での文庫大賞のみを集計してみました。

オーバーラップ文庫大賞(賞金最大300万円)
開催回 倍率 応募数 入選数 大賞作品
5回 180 541 3 なし
4回 167 666 4 なし
3回 248 743 3 なし
2回 274 1096 4 なし
1回 358 1433 4 なし

オーバーラップ文庫大賞は、第5回と第3回が2期、第1回が3期、第2回と第4回が4期での募集に分かれていて、それぞれを合算して1年分を集計しています。

金賞は選出されていますが、まだ大賞の選出はないので、GA文庫大賞のようなプレミア感を狙っているのかもしれません。

それを受けてか、応募数が減ってきている傾向もあり、競争倍率としては下がってきているので意外に狙い目の賞でもあると思います。

倍率の高いレーベルを選ぶメリット

競争倍率の傾向が出ているなら、数字の低いものを選んでいけばいいという単純なものではありません。

倍率の高いレーベルを選ぶメリットもあります。

【倍率の高いレーベルを選ぶメリット】

  • デビュー後のサポート
  • 売り出し方の大きさ
  • 拾い上げの多さ

ジャンルや売り出し方もそうですが、やはり審査員の知識の量も違いますから、デビュー後のサポートも違ってきます

入選しなくても、最終選考まで残ればデビュー候補として拾い上げてもらえることもありますし、懐の深い余裕のあるレーベルはやはりそれが応募数となって出ている傾向でもあります。

応募数が多いなりの理由があるというわけですね。特に電撃大賞はそれが顕著でもあり、拾い上げも多いです。

競争倍率だけではなく、複合的な部分で応募する賞を選んでみてください。

応募締め切り時期で選ぶ

賞の選び方のおすすめの方法として、応募締め切り時期で選ぶのもいいでしょう。

例えば、MF文庫なら4期に分けての落選がわかるので、応募して落選してから他の賞に送るまでのタイムラグが短めとなります。

ただ、他のレーベルの一次審査で落ちた作品が、別のレーベルでは入選というケースも少ないので、最低でも二次三次に残った作品を推敲して修正してからの再応募としてください

審査員の好みの部分も出てきますが、基本部分がクリアできていなければどのレーベルでも落選となってしまう可能性は高いです。

まとめ

まとめ

ライトノベル新人賞と大賞の応募数と競争倍率でした。

この数字や受賞作品を見ていくと、それぞれのレーベルの特徴と傾向も見えてくるかもしれません。

ただ、大賞を取った作品がベストセラーになるとは限らないのが、難しいところでもあり面白いところでもありますね。

また、賞金だけではなく、その後の書籍化やコミカライズ、さらにはアニメ化まで視野に入れてこそのライトノベルだと思うので、好きな作品のあるレーベルを選ぶのもいいでしょう。

ぜひあなたの手で素晴らしい作品を世に送り出してみてください。

まとめるね
・電撃文庫に続いてMF文庫
・競争率以外にジャンルの傾向も
・賞金だけじゃなく受賞後の売出しも

ヒット作になる可能性は売り出してくれる大手の方が高いけど、好みのジャンルを見るのもおすすめだよ。過去作の傾向も見てみてね
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