
ライトノベルと小説の違いについてですが、小説というカテゴリの中にライトノベルと一般小説があるというイメージでしょう。
と言っても、ライトノベルはライトノベルで、独自のジャンルと言ってもいいほどの読者層の違いも見受けられます。
そもそもライトノベルというジャンルが日本独自で派生したものなので、定義としての確立は少し難しいところでもあるんですけどね。
結論としては、出版レーベルの違いで判断するのが一番で、「こういう文章だからライトノベル」というくくりではありません。違いについてそこまで深く考えることはないでしょう。
と書いちゃうと、身も蓋も無いんですけどね。ラノベと一般小説の違いについて少し掘り下げてみたいと思います。
ライトノベルは学生向けファンタジー?
まずライトノベルと言えば、学生向けのファンタジー作品という印象が第一だと思います。
一般小説にもファンタジーやSFものもあるんですけどね。その比率は圧倒的に違います。
学生さんが好むものと言えば、バトルの派手さだったり、爽快感という面も大きいので、どうしてもラノベ=学生向けというイメージは拭えません。
案外深いテーマだったり、考察ができるような作品もあるんですけどね。
ミステリー等の推理ものや純文学、人間ドラマ中心だと、どうしても一般小説に一日の長があるのは否めません。
そこに10~20代の若者と、それ以上の大人だと、好みの割合的にラノベ=若者向けとなってしまうのでしょう。
文章力の違い?
ライトノベルと一般小説の大きな違いに、文章力という面があるのも現実でしょう。
何をもって文章力が高いとするかは難しいところですが、読みやすく軽い文体がライトノベル、情景や心理描写の深さが一般小説という区分けははっきりしています。
そもそもラノベと一般小説だと、読者層だけではなく、作家層も明らかに違うと思うんですよね。
「小説家になろう」を始めとしたネット小説の普及で、学生作家さんが誕生しやすくなったのも一因です。
まあそれでもライトノベルと一般小説の文章力テストのようなものがあれば、一般小説が圧倒的に高いような結果が出るのは間違いないでしょう。
主人公が若者か大人か
好まれる読者層と書いている作家層を踏まえると、主人公の年齢もおのずと変わってきます。
自分以外のもの、経験していないものををリアルに描くのってなかなかに難しいんですよね。
ということで、ライトノベルの主人公は学生(若者)、一般小説の主人公は社会人(大人)というのもおなじみです。
アニメ化とドラマ化
ラノベと一般小説の特徴として、ファンタジーと現実という舞台の違いがあります。
ということは、ライトノベルはアニメ化、一般小説はドラマ化という違いが出てくるのも当然です。
これは逆にも考えられ、アニメ好きはラノベ好き、ドラマ好きは一般小説好きという傾向は明らかですよね。
挿絵とイラスト
ライトノベルといえば、挿し込まれるイラストでしょう。
あの挿絵目当てに書籍を購入される方も多いのではないでしょうか。
まあ、この挿絵がイメージと全然違ったなんてパターンもあるんですけどね。
イラスト無しのラノベを考えると売上壊滅なのは目に見えています。
と考えると、文章のみで売っているであろう一般小説の凄さがまた見えてくるのですが。
ともかく、イラストあり=ラノベ、イラストなし=一般小説という分け方もできるかもしれませんね。
ライトノベルレーベル
結論としては、ライトノベルは技法よりも出版レーベルで判断するべきかなと思います。
出版社内でも、ライトノベル専用のレーベルを用意してありますしね。
出版社ごとのライトノベルレーベルを表にしてみましょう。
出版社(ブランド含む) | ラノベレーベル |
---|---|
アスキー・メディアワークス | 電撃文庫 電撃ゲーム文庫 |
アルファポリス | アルファライト文庫 レジーナ文庫 |
一迅社 | 一迅社文庫アイリス |
エンターブレイン | ファミ通文庫 ビーズログ文庫 ビーズログ文庫アリス |
オーバーラップ | オーバーラップ文庫 |
角川書店 | 角川スニーカー文庫 角川ビーンズ文庫 |
講談社 | 講談社ラノベ文庫 講談社X文庫ホワイトハート |
集英社 | ダッシュエックス文庫 コバルト文庫 |
主婦の友社 | ヒーロー文庫 |
小学館 | ガガガ文庫 ルルル文庫 |
星海社 | 星海社文庫 |
ソフトバンククリエイティブ | GA文庫 |
宝島社 | このライトノベルがすごい!文庫 |
富士見書房 | 富士見ファンタジア文庫 富士見ドラゴンブック |
双葉社 | モンスター文庫 |
ポニーキャニオン | ぽにきゃんBOOKS |
ホビージャパン | HJ文庫 |
メディアファクトリー | MF文庫J |
ざざざっとですが、こんな感じですね。小学館のガガガとルルルのように、男性向けと女性向けに分けてられている場合もあります。
各社レーベルで各賞を開催しているので、そこで受賞したり、小説家になろう等のネット小説サイトで書籍化の打診が来るという流れで、作家を目指すならこの二通りが王道の方法となってくるでしょう。
まとめ
ライトノベルと一般小説の違いは、レーベルということです。
他には文章の簡便さ、イラストがあるかどうかが大きな違いとなってくるでしょう。
傾向としては、ファンタジーかどうかというのも大きな要素ですが、これはあくまでも傾向となっています。
小説家になろうを始めとした土台も揃っていますし、ライトノベルは書きやすく、作家デビューとしてのハードルが低い面もあるので、読む側から書く側に回ってみるのも一興かもしれませんね。