
ライトノベルの代表的な人気ジャンルといえばファンタジーものでしょう。そしてバトルありきですね。
物語を盛り上げるのに十分な要素が揃っていますし、世界観の構築と作っている側もワクワクが止まらないのではないでしょうか。
今回はファンタジーバトル物の書き方について掘り下げてみたいと思います。
目次
ライトノベルでのファンタジーバトルは爽快感を重視
ライトノベルのジャンルとしては、ファンタジー(バトル)と恋愛(ラブコメ)が代表的で、これらをミックスさせることも有効な手法です。
バトルがあるから恋愛が盛り上がる面もあるんですよね。
ファンタジーバトルものに必要な要素といえば、世界観の設定ですが、どこまで原理を掘り下げるかがひとつの問題となります。
魔法や異能力がなぜ存在するのかというところまで設定すると、非常に深い世界観と謎を構築できますが、これはなかなかに難しいという面もあるでしょう。
その謎や原理をすっ飛ばして、魔法や異能力はあって当然で、主人公の強さを見せつける爽快感を重視するのも面白いライトノベルを書く方法のひとつでもあります。
ファンタジー世界観は異世界?ローファンタジー?
さて、ファンタジー物の書き方としては世界観の設定をしなければなりません。
舞台は大きく分けて、ハイファンタジーとローファンタジーで、現実世界に繋がりがあればローファンタジーと考えるのがいいでしょう。
ハイファンタジーは異世界物で、異世界転生や異世界転移も主流となってきましたし、ゲーム世界へのトリップというのも一般的となってきました。
転生や転移ものでなければ、元々の異世界を題材とするのも一般的です(旧来のハイファンタジーものはほぼ全てこの形です)。
ここから現在の人気の傾向や、半歩先を先読みをした世界観を構築するとウケのいい世界観を構築できるものと思います。
まあ異世界転生は、現代社会から別世界にそのままダイブするという点で、感情移入がしやすいという大きなメリットがあるので、定番テンプレとして残り続ける可能性も大いにあるでしょう。
得意な世界観を書く
ライトノベルを書くことで重要なのは、あなたの得意な世界観を書くということです。
社会経験によっては、現実世界で物語を書くと矛盾点が生まれる場合もあるでしょう。
一般小説ほどツッコミは入りにくいですが、あまりにご都合主義だとライトノベルでもそれなりに指摘が入ります。
逆にファンタジー世界が苦手だと、魅力的な世界を構築できません。
面白い世界観を書くにはある程度の知識ベースが必要で、得意で好きなものを舞台とすることを意識してみてください。
魔法?スキル?異能力?
現実社会か、異世界か、転生か非転生か等の世界観が決まると、次はバトル能力を決めたいところです。こっちの方が物語の軸となるかもしれませんね。
バトル能力としては、剣術、魔法、異能力、スキル、ステータス辺りが一般的でしょうか。
剣と魔法の世界と、各種異能力バトルはおなじみでもありますが、異世界転生やゲーム転移ものが増えたことによって、スキルやステータスというのがライトノベルの新しい表現方法ともなったと感じます。
しかし、数字で強さを表現するというのはデメリットも大きく、強さの対比がしやすいのでバトルに緊張感が生まれなくなる面もあります。
このデメリットを解消するためには、何らかの戦略要素やランダム的要素を入れるべきでしょう。
そして、バトル能力も世界観同様に、あなたの得意で好きなものを書くようにしてください。
銃やロボットが好きなのに、剣や魔法を書こうとしてもイマイチ筆が乗らないでしょうし、魅力的な戦いを描けません。
自分でもわくわくするような戦いを書くことを前提としてみましょう。
バトル描写はスピード感を
ファンタジーバトル物を書くことにおいて、外せないのがバトル描写です。
漫画やアニメだと絵で表現できますが、小説やライトノベルだと文章でその勢いを表現しなければならないというのがひとつのネックかもしれません。
バトルで重要なのはスピード感と迫力なので、文章でバトルを書くのって難しいんですよね。
攻撃の凄さを書こうと描写しても、それが長いとスピード感が出ませんし、これは悩みどこのひとつです。
そこでバトル描写のひとつのコツとして、改行と体言止めをおすすめします。
「右手に持った剣を斬り下ろすと、肉の感触と共に敵の胴を真っ二つに切り裂いた」
よりも
「剣を斬り下ろす。
肉の感触。
残ったのは真っ二つに切り裂かれた敵の胴。」
とかの方がスピード感がありませんか?
短文と改行を上手く使ってスピード感を表現してみてください。
あとは擬音の使い方で、「ズバッ」とか「グゴオオオ」よりも、「鋭く切り裂く音」とか「地響きのような呻き声」の方が小説っぽい描写のはずです(一般小説だと擬音はほとんど使われませんが、ライトノベルだとそれなりの頻度で使われる印象もあります)。
ストーリーではなくキャラを書く
ここまでで世界観と能力という組み合わせの骨組みができました。ここからが本題と言ってもいいキャラ設定です。
「ストーリーではなくキャラを書け」と言われるくらいにキャラは最重要です。
優れた世界観があってもキャラが立っていなければ、作者のレールの上を歩いているだけとなってしまい、どこか盛り上がりに欠ける部分が出てしまうんですね。
感情移入しやすい主人公
まず、ライトノベル読者が感情移入しやすい主人公を作りましょう。
少年漫画だと、明るく努力を惜しまない主人公というのが一般的でもありますが、ライトノベルだともっと現実寄りの方がウケがいいはずです。
どこかひねくれている部分があったり、ちょっとくだらないことで悩みを抱えているぐらいでもリアリティがあります。
成功者や完璧超人が主人公だと爽快感はあるのかもしれませんが、どうにも感情移入ができなくて盛り上がりに欠ける面が出てしまうでしょう。
それならば、その成功者になる過程を物語で描いてください。弱者の立場から成り上がるというのは大きなカタルシスを得られます。
と言っても、無理のある成り上がりは盛り上がらないので、何か特別な環境(境遇や能力や出会い)を与えてやる必要があるのですが。
魅力的なヒロインと敵キャラ
主人公に続いて重要なのがヒロインと敵キャラです。
ライトノベルに限らず、ヒロインや敵キャラがいないバトル物は稀で、これらのキャラが魅力的かどうかで全てが決まると言ってもいいでしょう。
ヒロインがかわいいことはもちろん、性格や言動だけではなく、どんな背景を持っているかまで設定してください。
ヒロインの背景を設定することによって、主人公の目的のひとつとしてもストーリーが出来上がります。
ヒロインの境遇を改善するもよし、敵を打ち倒すもよし、トラウマを解消してあげるのももよしでしょう。
いくら見た目が良くても、背景のないヒロインはただの置き物です。置き物に好かれても快感は得られません。ヒロインには主人公以上の魂を吹き込んであげてください。
ちなみに、魂を吹き込むコツとしては、キャラ背景の他にギャップも有効です。ただ優しいだけではなく、天然ボケや田舎者や毒舌やドМ等なんでもいいので副属性や弱点を付けてあげるのもいいでしょう。
そしてそのキャラたちをしっかりと動かしてください。会話の掛け合いで楽しさを演出することはもちろん、事件やピンチを乗り越えて絆を深めていくのも定番です。
敵キャラにも思想を
ファンタジーバトル物は敵キャラあってこそですよね。
そして、主人公とヒロインに背景や目的を持たせるのは当然として、それは敵キャラにも必要です。
物語にドラマ性が生まれるのは魅力のある敵がいてこそで、何の目的も持たない敵に魅力は生まれません。
敵キャラにも生い立ちや背景があって、その中で現在の目的があるはずです。
ベタなのは、「幼少の頃に迫害されての復讐」でしょうか。これだと世界観も設定しやすくなりますし、敵キャラあっての世界観構成という逆算もいいでしょう。
倒すのがもったいないぐらいの敵キャラを生み出してみてください。
キャラ作りは他作品も参考に
キャラ作りに迷ってしまうこともあるかしれません。
ただ、キャラ作りのヒントはそこら中に転がっています。
身近な人物のいいところや悪いところをキャラに落とし込むのもいいでしょう。人間臭さが生まれ売ます。
ストーリーやキャラ作り方法のひとつとしては、他作品を参考にするということで、あなたが感情を揺さぶられたキャラをベースとして新しいキャラを作り出してみてください。
パクリはダメですよ。あくまでも参考です。要素を組み合わせてあなたなりにアレンジしてください。
最近では動画配信サイトが非常に優秀ですし、かなりの費用対効果でネタ作りの参考ともできるおすすめの方法のひとつでもあります。
まとめ
ファンタジーバトル物のライトノベルの書き方でした。
ライトノベルの人気ジャンルでもありますし、ヒット作の生まれやすい定番ジャンルでもあります。
戦闘描写が少し悩みどころでもあるかもしれませんが、説明よりもスピード感を重視して書くことを意識してみてください。
定番かつオリジナリティのある世界観、わくわくするバトル能力、魅力的なキャラを軸として、ぜひあなたの手で素晴らしいストーリーを作り上げてみてください。