【響-小説家になる方法-】漫画最新刊の発売日と各巻の感想

「真っすぐすぎる響がかっこいい」

響-小説家になる方法-という漫画の魅力としては、まずこのポイントでしょう。

鮎喰響というキャラのかっこよさと爽快感、特に圧倒的な文才と真っすぐすぎる感情表現(悪く言えばサイコパス)がなによりの魅力で、マンガ大賞2017を受賞したのも納得すぎます。

「響が何かをやらかす」

皆がどこかで我慢していた常識と気遣いの枠をぶち破る爽快感が面白さの核です。

そして、響が時折見せるギャップも見所ですね。

小説家を目指している方にはもちろん、読み專の漫画好きの方にもぜひ読んでいただきたい名作に間違いありません。

ではでは、響-小説家になる方法-漫画最新刊の発売日と各巻の感想です。

初めての方も響ファンの方にも楽しんでいただけたら幸いですが、感想にはネタバレも含まれているので未読部分にはご注意ください。

目次

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響-小説家になる方法-漫画最新刊10巻の発売日

最新刊10巻発売日:2018/8/30

響-小説家になる方法-漫画最新刊10巻の発売日は8月30日でした。

11巻の発売日がわかりしだい追記したいと思いますが、4か月に1巻の刊行ペースで安定しているので、おそらくは年末ギリギリの発売日となるのではないでしょうか。

待ちきれない方は映画化ノベライズを手に取ってみるのもいいかもしれませんね。

響漫画1巻の感想

1巻あらすじ

とある文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、直筆の投稿原稿。
編集部員の花井は、応募条件を満たさず、
ゴミ箱に捨てられていたその原稿を偶然見つける。
封を開けると、これまで出会ったことのない
革新的な内容の小説であった。
作者の名は、鮎喰響。連絡先は書いていない・・・

1巻発売日:2015/2/27

【響1巻の感想】

  • 響のチート文才とガチ具合!
  • 凛夏さんがナイスキャラ!
  • 好き嫌いがはっきり分かれる!

1巻でいきなり響の文才と直情が爆発です。

書いてしまえばそれだけですが、ここにこの漫画の魅力が詰まっていると言っても過言でありません。

タカヤくんがその引き立て役となってちょっとばかり不憫ですが、まあ小指ぐらいで勘弁してあげましょう。

屋上の飛び降りも響ならやりかねない運びもうまいですね。物理的にあそこから涼太郎が助けるのは反則でもありますが。

そして、かませキャラその2と思われたガングロ金髪の凛夏(リカ)先輩がナイスキャラでした。

以後も凛夏の存在は大きく、この漫画のひとつの魅力です。

あとは物語の主軸となる響の作品「お伽の庭」が編集部でぐんぐんと認められていく爽快感です。

ただそこもすんなりといかないのが、若干のモヤモヤとハラハラ感を演出してくれるんですね。ここがスムーズすぎるとカタルシスがないですし運び方がうまい。

響が凛夏の小説を素直に褒めるところもポイント高いですね。まあ狂気とのギャップなだけなのですが。

1巻の見所:響がかっこいい!

響をかっこいいと思えるか非常識と捉えるかで、この漫画の評価は全く違うものとなります

Amazonの評価レビューを見ても、面白い人と面白くない人に分かれている傾向もあるので、この1巻で合わなければ2巻以降も合わないかと思います。1巻を分水嶺とするのもいいでしょう。

逆に1巻が面白いと感じれば、響にぐんぐんとハマっていくはずです。ぜひ2巻以降も追ってみてください。

これから響を一気読みできる方々が羨ましすぎるという謎の嫉妬を覚える私でした。

響漫画2巻の感想

2巻あらすじ

出会うべき二人だけど、まだ出会えない?

15歳の鮎喰響は、
文芸誌の新人賞に
自分への連絡先を伏せて小説を送りつける。
編集者の花井は、その小説を読み、
この作者なら文芸に革命を起こせる、
文芸の力で世界を変えられる、と確信。
名前しか手掛かりがない中、響を捜し出そうとする。
そうとは知らない響は、
周囲とギクシャクしながらも
高校の文芸部に入部。
みんなと部誌を作るため
新たな小説の執筆に取りかかる。

2巻発売日:2015/7/30

【響2巻の感想】

  • 安定の報復!
  • 小説家の数字がきついなー
  • 響と花井のすれ違いが絶妙

2巻はやられキャラとして、顧問の黒島先生や芥川賞作家の鬼島仁の登場です。

本当はいいやつで誤解されてる系かと思いきやガチクズでした。

そして響がタバコとハイキックでやり返すというスカッと報復。

いや、褒められた模範行動ではないかもしれませんけどね。これが合わないなら響は楽しめません。

また、2巻では小説家の実情的な数字が出てきます。

  • 中原愛佳:30才。デビュー作が5000部で35%の消化率。
  • 山岡歩々:31才。小説家兼ファーストフード店員。3作品出版で累計発行部数14000部。
  • 西ヶ谷コウ:32才。小説家兼OL。5作品出版で累計発行部数28000部。
  • 鬼島仁:42才。芥川賞受賞。26作品出版で累計発行部数190万部。

おそらくこれが小説家の現状でもあるのでしょう。

印税が10%と考えると、やはり一般文芸小説での生計というのは厳しいようですね。

おそらくライトノベルの方が、一般小説よりも売上としては上になっているのが現状だと思います。
参考ライトノベル累計発行部数一覧&ランキング

そして2巻のターニングポイントとして、凛夏が祖父江秋人の娘だったという点です。

個人的には、響が実は祖父江の血縁での文才だと予想していたので、それが凛夏だったとはちょっとやられた気分。

からの、凛夏繋がりで花井ふみと響が出会うわけですが。(本棚クラッシュの被害者2号誕生も兼ねて)

2巻の見所:響が花井ふみと繋がる過程の妙味

まあこの辺は少し世界が狭すぎという感じもしますが、ギリギリご都合主義ではないでしょう。

むしろこの辺りも、「早く名乗れ」「早く気付け」というモヤモヤ感を引き出してくれる運び方も巧みさを感じます。

花井の凛夏への電話の第一声が「鮎喰響の連絡先教えて」ってのも、凛夏の葛藤と花井の焦燥感が出ていていいですね。読者心理そのままです。

あとは地味に、涼太郎の響への思いがストレートで好きです。もちろん、響の時折見せる喜びの感情も何とも言えないかわいさなのですが。

キャラが皆どこか純粋さと情熱を持っている爽やかさと、嫌な奴はサクッと報復されるというこの漫画の魅力が走り出しました。

響漫画3巻の感想

3巻あらすじ

響が新人賞に投稿した小説は、
それを読んだ審査員の人生観を変えてゆく。
その圧倒的な才能に惚れ込んだ文芸編集者の花井は、
編集部で、響とはじめて打ち合わせをする。
響のことなら、なんでも知りたい花井。
しかし天才少女は、
自分の尺度と現実とのギャップを埋められず、
発する言葉も行動も
予測が不能。
響の目にこの世の中は一体どう映っているのか。
花井は響に当惑するほどに、
響とは何かをますます知りたくなる。

3巻発売日:2015/12/28

【3巻の感想】

  • 相変わらずの響節!
  • 吉野先生が素敵すぎる!
  • 涼太郎……えっ?

3巻はいきなりの「大好き」「ふみに任せる」でやられました。響ずるい。

そして盗んだバイクで走りだすという斜め上の展開。

鬼島先生が響のストレートな言葉に心打たれるのもいいですね。まあそこには響の実力ありきなのですが。

やっぱりどこか純粋なキャラが爽快感を演出してくれます。(ここでガチクズなら不快感になるのですが、それを引っ張らないのが読後感の良さに繋がっています)

ですが「良い余生を」は泣ける。これはきつい。逆に鬼島先生が好きになっちゃいました。

3巻の見所:鬼島先生と吉野先生のそれぞれの素晴らしさ

そして吉野桔梗先生がなんと言うか、素晴らしい!

周囲の陰口にも静かに耐えるところがいじらしくて素敵すぎます。

からの響の「嫁に来て」発言。あー、もう。ホントこの漫画好き。

裏では凛夏が花井ふみの失言に対して「妹かあ」とのフォロー。いつか凛夏が爆発しないか心配。というか伏線感。

涼太郎が響公認ストーカーという謎設定も判明し、タカヤとかよにフラグが立ちで、4巻を読まざるを得ない3巻でした。

響漫画4巻の感想

4巻あらすじ

芥川賞候補決定!響とリカは!?

ついに小説家デビューした、リカと響。
リカの単行本は、デビュー作にして空前の大ヒットを記録する。
一方、響の小説への反響はまだ小さい。
芥川賞を狙う、と響に打ち明けるリカ。
しかし響は、そのリカの小説を「つまらない」と感じてしまう。
リカを親友だと思えばこそ、自分の感想はそのまま伝えたい。
そんな中、芥川賞の候補作が発表される。
それは誰もが予想できないものとなる。
文学がつないだ二人の友情に、
文学が亀裂を入れてゆく。

4巻発売日:2016/6/30

【4巻の感想】

  • 田中康平うっとおしいなー
  • リカがついに爆発したかー
  • 芥川賞と直木賞きましたかー

人生で一番喧嘩できない新人賞授賞式という場でパイプ椅子で殴りつける響。

それを理解してるのが花井ふみよりも鬼島仁というのがちょっと面白い。

まあ、自分基準で陰鬱な田中康平がちょっと嫌な4巻でしたけどね。

それでも響節は炸裂です。

個人的には「太宰がいたら驚くけど、祖父江秋人はどこかにいるでしょ」に震えました。

そりゃそうなんですけどね。

んー、響から学ぶことが多いなと実感。

ちょっと考え方が揺るがされたかも。

4巻の見所:響とリカ

そして4巻はやっぱり響とリカのケンカでしょう。

特に「親友よ」が最高です。

リカに対する「親友」は2回目ですが、ケンカ中ということで意味合いが深い。(個人的にはリカに報われてほしい)

そしてその仲直り予定の芥川賞発表日に、直木賞とのダブルノミネートとの報道でキタコレ感。

やりすぎ感もありますが、盛り上がり要素としては充分すぎますし、5巻へのワクワク感が異常です。

響漫画5巻の感想

5巻あらすじ

弱冠15歳、デビュー作品にして、
史上初の芥川賞&直木賞のWノミネートという快挙を成し遂げた、鮎喰響。
世間が大きく騒ぎ、文学界が慌てふためく中でも、
あくまで自分の生きる態度は変わらない響。
そんな中、運命の受賞作発表の日がやってくる......!!!

5巻発売日:2016/11/30

【5巻感想】

  • リカ最高
  • マスコミうざい
  • マスコミうざい

5巻はまずリカ回です。素晴らしい。

リカは響とは違う真っすぐさですが、一枚あった壁が解けた感。

「これからは言いたいこと言う。でも、私のこと嫌わないで」

これに今までのリカの葛藤と心情が現れていますね。

そして小説を書く上で大切なのは、「作者がどれだけ自分をぶつけられるか」ということも実感させられます。

一般受けを考慮するのも重要ですが、作者の鬱積した訴えが異才なものを生み出すのでしょうね。

5巻の見所?:マスコミがうざい

そして、マスコミがウザい!

リカならうまくあしらうんでしょうけど、響の場合は東京まで記者を尾けるというね。その尾行能力を突っ込むのは野暮です。

そしてその響をさらに尾ける涼太郎がいるわけですが……。

5巻のトータルとしては芥川賞と直木賞が軸ですが、そこはダブル受賞で物語が大きく動く展開です。

これは予定調和でもありますし、そこまでの驚きでもありませんが、まあ会見もマスコミがウザいわけで

いや、ウザい環境からの反発ってカタルシスを生みやすいんですけどね。そのパターンが多くてちょっと食傷気味でもあります。

まあこれはこの漫画だけじゃないですけどね。(むしろこの漫画ではウザさを最小限に抑えている感も)

そして当然のように、言われた通りにする響なわけがなく、仕返しからの6巻に続く。んー、なんだかんだ気になる。(掌の上)

響漫画6巻の感想

6巻あらすじ

わずか15歳で、史上初の芥川賞・直木賞の同時受賞をなしとげた響。

一躍時代の寵児となった彼女をまず待ち受けてい受賞記者会見で、大暴れ。

過熱する一方の世間の中、彼女は高校2年生に!

6巻発売日:2017/4/12

【6巻の感想】

  • 山本春平がいい!
  • 上級生には敬語を使いなさい!
  • ラノベ業界にも進出!

6巻は山本春平へのセリフ「作者の分際でなに何ケチつけてんのよ」

これすごくないですか。

「作者の分際で」という謎のセリフと説得力。

いや、まあ結局はその言葉を生み出した柳本さんがすごいわけですが。

ただ電車がギリギリで止まるのはちょっとあざといかな。漫画的な演出としてはしょうがないところですけどね。

山本春平は実写映画版でも小栗旬さんということでキーキャラですし、個人的にも無口ストイック系はかなり好きなので今後の登場と活躍にも期待したいところ。

そして「上級生に敬語を使いなさい」

いや、常識的でごく普通の言葉なんですけどね。響が言うとw

ギャグとしては伏線も効きすぎてるし最高です。

1年生にはマイルド響も現れるしちょっと群像劇的に話が動き出すのでしょうか。1年生キャラが全体的にうっとおしい感は否めませんが。

6巻の見所:ラノベ新人賞も受賞!

そして6巻では、かよが響のパクリを投稿してラノベ大賞を受賞します。

芥川賞・直木賞W受賞作家なので当然かもしれませんが、ラノベと純文学ってまたウケる要素が違うと思うんですけどね。

まあ、そこは化け物ってことで。

気持ち悪くて殴ってしまったのは許しましょう。

からの

「友達が勝手に応募して」

「アイドル性……あった!」

って運び方が上手すぎて。柳本さんさすがです。

そして勘のいい津久井プロデューサーによって、響がどうラノベ業界に旋風を起こすかという見所が増えましたね。

津久井さんは優秀そうで個人的にもかなり好きなキャラですし、ラノベを交えた展開が楽しみすぎます。

ちなみに、映画「響-HIBIKI-」は6巻前半までのエピソードとなっています。
響-HIBIKI-映画感想と原作漫画との違い

響漫画7巻の感想

7巻あらすじ

加代子が勝手に応募したことで、自分が描いた小説が知らぬ間に「アニメ化」まで進められそうになった響。仕組んだのは剛腕プロデューサー・津久井。ふたりのバトルが始まる!?

7巻発売日:2017/8/30

【7巻の感想】

  • 津久井さんが好きなんだけど嫌い
  • イラストレーター霧雨もパターンに
  • 嫌な奴は響によって改心される?

津久井さんに対して「最終的にはこの人蹴とばすことになりそうだなって」ってね。

いや、あからさまな伏線すぎますが、わかっていても今からワクワク感です。

というか、津久井さんは豚女もしっかり凹ますし結構好きなんですけどね。

7巻はラノベ・アニメ業界も席巻!

そして7巻からはアニメ・ラノベ業界が中心となってきました。

合わせて、主要キャラがチカから花代子にバトンタッチしたのが少し残念です。(花代子はごくごく普通なんですけどね。リカ最高という落差で相手が悪かった)

まあ、イラストレーターの霧雨さんに対しては、

「あなた頭おかしいんじゃないの」

ってお前が言うかパターンも増えてきましたね。だがそれが最高なのですが。

もちろん、響に触発されての一皮むけるパターンもありで、カタルシス的には文句なしです。

んー、7巻も面白い。

かよvsうさぎ

シローvs鹿

響vs熊

ある日森の中で熊さんに出会う話見てみたいなあ。

響漫画8巻の感想

8巻あらすじ

異能のプロデューサー・津久井、響を挑発!

15歳という若さで芥川賞・直木賞をW受賞した天才文学少女・響。誰にも媚びず、自分の価値に揺るぎない自信を持つ彼女の振る舞いは、周りの全てを刺激し変化させてゆく。

そして、その才能の前に現れた一人の男。テレビ業界で知らぬ者はいない、天才プロデューサー津久井は、響のその才能を己の野望のため利用しようとする。

果たして、響と津久井の苛烈なる戦いはどんな結末を迎えるのか――!!

8巻発売日:2017/12/27

【8巻の感想】

  • 響初敗北?
  • 津久井プロデューサーが好きだけど嫌い
  • 番組潰しの期待感

響が津久井プロデューサーに上をいかれるという初展開。

津久井さんは有能で好きなんだけど、腹黒さでなんとも言えない一面が。んー、自分でも嫌いなのか好きなのかよくわからなくなってきた。

フツーのくだらない女子校生の色恋も挟んできましたが、まあこれもカタルシスに繋がると我慢我慢。

8巻の見所:収録潰し

そして、収録当日に「潰す」との響のありがたいお言葉もいただけたところで乗り込み。

サクッと社長人質からの素敵なカウントダウン。

「0」になってからのページをめくる怖さと期待感が異常でした。

ってそのパターンか!

私は鉛筆を折ってカモフラージュパターンかと予想しましたが斜め上でした。最高。

んー、このネタバレは伏せておきます。8巻で緊迫感をぜひ味わっていただきたい。

響漫画9巻の感想

9巻あらすじ

波瀾の全国高校文芸コンクール!!

デビュー小説『お伽の庭』が、芥川賞と直木賞をW受賞するという快挙を成し遂げた鮎喰響。驚異的な現役JKの存在にざわめく世の中。
響に目をつけた天才プロデューサー・津久井との対決も終わり、響にも平穏な日常が戻る。
そんな中、文芸部は花代子の発案で全国高校文芸コンクールに参加することに!
響という圧倒的天才に焦がれる同じ文芸部の1年生の咲希は、コンクールで自分の夢に挑戦する!果たしてその結果はいかに……

9巻発売日:2018/4/27

【9巻感想】

  • 山本春平おめでとう!
  • 凛夏もよかった!
  • 文部大臣どうなっちゃうの?

山本春平が少し吹っ切れていい感じ。応援したいキャラナンバーワンかも。

いや、ナンバーワンはやっぱ凛夏ですかね。9巻で報われてきたようでなによりすぎます。

そして響の「気づいたら小説家になってた」ってのが山本春平との対比で残酷でもありますが、本物ってこういうことなんですよね。

しかし山本春平の「何年も努力して書き続けて」というスピーチも最高です。

なんだか響がダブル受賞した時よりも嬉しいかも。親近感ってやつかわかりませんが。

全体的に平和ムードな9巻でしたが、文芸コンクール授賞式での文部大臣と響の組み合わせが不安かつ期待すぎる10巻への引きでした。これは読まざるを得ない。

響漫画10巻の感想

10巻あらすじ

波瀾の表彰式! 響vs.加賀美文科大臣!

デビュー小説『お伽の庭』が、芥川賞と直木賞をW受賞するという快挙を成し遂げた鮎喰響。驚異的な現役JKに世間は熱狂するが、本人は特に気にすることもなく日常を過ごしていた。そんな中、文芸部は花代子の発案で全国高校文芸コンクールに参加することに!
そして響は最高の賞である文部科学大臣賞を受賞してしまう。特に気にする風もない響だったが、授賞式には表彰状を渡すために文部科学大臣の加賀美が現れる。総裁選の最中、自らの野望に燃える加賀美は、響の正体を芥川・直木賞を受賞した「響」と見抜き、利用しようと画策するが……

10巻発売日:2018/8/30

【10巻の感想】

  • コンクール大臣戦
  • 期待の新一年生
  • 響退学からの新展開!

起承転結での「転」に当たる10巻でした。

文芸コンクールでの大臣戦は割と波乱なく終わりましたが、そこからが怒涛の展開で、ここを転機に響バレに発展。

んー、まあ時間の問題でしたけどね。むしろここまでバレなかったほうが不自然なくらいでもありますから。

周りの迷惑を考えてなかったと謝る響と、大臣と部屋でババ抜きというシュールな絵面が好きな10巻前半でした。

10巻の見所:新一年生と新展開に期待

学年が繰り上がり、新一年生が入ってくるわけですが、図書館王子と関西ガールに期待です。

前新入生はヤンキーとおバカ2人でしたから、うまいバランス取りで文芸部が活性化しそうです。

といっても、響退学でお通夜ムードなんですけどね。

そこはサクッと再入学ということで、展開の早さが素晴らしい。響ロスに陥るところでした。

11巻からは響3年生編で、周りに響とバレてる状態でどう展開していくのか期待すぎる10巻でしたが、そこには11巻が待ち遠しすぎるという罠が……。

響~小説家になる方法~漫画感想まとめ

響~小説家になる方法~は、バトルファンタジーでも恋愛コメディでもありませんが、妙にハマりまくる魅力があります。

その核は、「まっすぐすぎる響が何かをやらかす」というハラハラ感ですね。

そして、そこになんとかしてくれるという安心感付きです。

安心感つきのハラハラという謎の組み合わせですが、これがまたがっちりとマッチした爽快感と、次は何をやってくれるんだという期待感が止まりません。

1エピソードごとのテンポも素晴らしく、少し嫌なキャラが出てきてもすぐに解決というサクサク感です。

また、そのセリフ回しも素晴らしく、名言だらけで響の言葉に心が揺さぶられてしまうんですね。

登場人物の心を打つ響の行動に、どこか私自身にも蹴りを入れられた衝撃すらあり、「本当に今の生きざまは望んだものなのか?」という自問自答をしてしまうほどの作品でした。

小説家になる具体的な方法としての教材としては使いにくいですが、

「自分をぶつける」

「嫌いなキャラから作ってみる」

「自分の引き出しから探す」

「苦手なことには違和感が出る」

等々、ストーリーやキャラ作りの核の部分も出てきますし、小説家を目指すのなら読んでおいて損のない作品にも間違いないでしょう。

小説家のリアリティと厳しさを知れる部分もありますしね。

2017年マンガ大賞を取ったのも納得の傑作で、小説への興味あるなしに関わらずおすすめできる漫画に間違いありません。

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