
ライトノベル小説の書き方は人それぞれでもありますが、プロットを作ってストーリーを設計していくのが一般的です。
プロットを作っておくと伏線も張りやすいですし、行き当たりばったりではなく、ぜひ最初にプロットを組み立ててみてください。
プロットとは?
まず、初心者さん用にプロットとはなんだということですが、ざっくり言うとストーリーの設計図です。
小説やライトノベルだけではなく、漫画やドラマでもプロットが必要ですし、ラストまでうまくまとめなければならない短編ほどプロットは重要となってきます。
どこまで詳細にプロットを作っておくかはそれぞれですが、プロットが無いと辻褄が合わなくなったり、着地点や通過点を見失ってしまうので、ざっくりとでもプロットは作っておきましょう。
プロットの基本設定
プロットを作るうえで、まずは基本設定が必要です。
世界観やキャラ(味方と敵)、あとはキャラの目的や動機、そして始まりとラストを設定しましょう(暫定的なラストで構いません。プロットを作っていくうちにさらに大きなラストが生まれたりもします)。
世界観は異世界ハイファンタジー、世界を滅ぼそうとする魔王とそれを止めようとする勇者パーティとでもしてみましょうか。
大筋のプロットの作り方
ではプロットの作り方の例を見てみましょう。まずは冒頭とラストです。
- 勇者が生まれる
- 魔王を倒す
言ってしまえばこれでもプロットですし、この間にどんどんとエピソードやシーンを追加していきましょう。
- 勇者が生まれる
- 勇者が才能に気付く
- 仲間と出会う
- 魔王を倒す
少し厚みが出ましたね。もっとエピソードシーンを追加してみましょう。
- 勇者が生まれる
- 勇者が才能に気付く
- 仲間と出会う
- 王から魔王討伐依頼を受ける
- 仲間の一人が裏切る
- ダンジョンを攻略する
- 街を救う
- 魔王を倒す
- 囚われていた王女と結婚
こんな感じで中盤にエピソードを追加すると、着地点が増える場合もあります。
仲間の一人が裏切るにしても、いきなり裏切ったのでは興ざめですから伏線を入れておきたいところです。
仲間というよりも、国側の大臣が黒幕で、そのせいで仲間が犠牲になった方向にしてみましょうか。
大臣が黒幕ならばその理由付けも欲しいところなので、勇者は知らないけど勇者が生まれる以前に、大臣は王によって家族を殺されていた隠しエピソードを入れておきましょう。
- 大臣が王に家族を殺される(隠し)
- 勇者が生まれる
- 勇者が才能に気付く
- 仲間と出会う
- 王から魔王討伐依頼を受ける
- 大臣が裏切る
- 仲間が一人犠牲となる
- ダンジョンを攻略する
- 街を救う
- 魔王を倒す
- 囚われていた王女と結婚
- 黒幕の大臣を倒す
こうなると少し意外性も出てきたかもしれません。王も大臣の家族を殺した理由が必要で、背景にも厚みが出てきます。
大臣が復讐を企んでいたのなら、大臣が王妃を寝取って、王女は本当は大臣の娘だったということにしても話が広がるでしょう。
こうやって冒頭からラストまでのストーリーの骨格を決めていき、あとはシーンごとのプロットを作っていくと物語を矛盾なく描きやすいです。
これは漫画だけではなく、小説やライトノベルでも同様ですし、むしろ長期連載とならないのならしっかりと落としどころを決めて後味の良い物語としたいものです。
シンプルにラスボスを倒すのもいいのですが、大どんでん返しとオチを用意して、その伏線を入れておくと読者をあっと言わせることもできるはずです。
バトル物よりもミステリー物だと、ここが見せ所にもなります。
シーンごとのプロットの作り方
大筋の骨格ができたとして、細かいシーンごとのプロットを作るのもいいでしょう。
この辺りはそれぞれの書きやすい形がいいと思いますが、エピソードを矛盾なく進めるためにはプロットがあるとやりやすいと思います。
例えば、上記の「仲間が一人犠牲となる」「ダンジョンを攻略する」を書くとして、ここを流れで書いていくのもいいのですが、プロットを作ると少し厚みのある展開にもできます。
ダンジョンに行く理由として、僧侶の故郷を救うとしましょうか。そして、戦士が僧侶を庇って犠牲になるとしましょう。
- 僧侶が故郷からの手紙を受け取る
- 街の人から事情を聞いてダンジョンに向かう
- 僧侶が背後から襲われるが戦士が庇う
こんな感じでしょうか。
少し味気ないので、辿り着いた街は盗賊に乗っ取られていた方向にしてみます。
- 僧侶が故郷からの手紙を受け取る
- 辿り着いた街は変貌していて盗賊の棲み処となっていた
- 盗賊と戦う
- 盗賊から事情を聞いてダンジョンに向かう
- 僧侶が背後から襲われるが戦士が庇う
少しストーリーができてきましたね。
戦士が庇って重傷を負うための伏線も入れておきたいところです。
戦士の防具に細工がされていてもいいですし、これが大臣の手先という設定でも色々な部分に繋げられるかもしれません。
また、盗賊もぽっと出よりは、どこか初期の方で成敗した小悪党だったりするのもいいでしょう。プロットを組んでおいたなら、初期のエピソードに小悪党成敗を追加しておくことも簡単です。
- 僧侶が故郷からの手紙を受け取る
- 辿り着いた街は変貌していて盗賊の棲み処となっていた
- その盗賊は以前成敗して改心していた
- 盗賊は大臣からの圧力で勇者を倒さなければならない
- 盗賊は戦士の防具に細工をする
- 盗賊から事情を聞いてダンジョンに向かう
- 大臣の圧力によって盗賊がやむなく襲ってくる
- 僧侶が背後から襲われるが戦士が庇う
僧侶故郷編はこんな感じのプロットになりますね。
落としどころも決めなければなりませんが、勇者が盗賊を倒して仲間のピンチを救ってもいいですし、隠れ住んでいた故郷の住人を使ってもいいでしょう。
そして、ラストが決まったならそれを盛り上げるためのエピソードや伏線を差し込むというやり方です。
逆算すれば伏線を張れる
小説やライトノベルを書く際に、伏線を張るのが苦手という方がいらっしゃいますが、それは順々に書いていっているからです。
ラストや見せ場をプロットで作っておけば、それを矛盾なく盛り上げるための伏線を差し込むことも容易です。プロットを作って逆算で伏線を差し込むというのがコツですね。
大臣が黒幕なのなら、その動機が必要ですし、バレない程度の描写も多少は入れこむべきです。
上記までのストーリーなら、「大臣は王に家族を殺された復讐」という動機がありますが、黒幕がいるという描写をどこかに入れるべきで、倒した盗賊が「お前らの本当の敵は……」とでも言い残しておくと伏線になるでしょう。
最初に主人公に渡された指輪に大臣との因縁を混ぜ込むなどの重要アイテムを絡めるのも定番です。
これはプロットを組んでおかないと少し難しいですが、逆にラストを想定したプロットを作っておくと簡単に伏線を張ることができるはずです。
ぜひラストを想定したプロットを作って、そこから逆算して伏線を入れ込んでみてください。
まとめ
ライトノベル小説の書き方のひとつとして、プロットの作り方と伏線の張り方でした。
基本設定を下地に、始まりと終わりを想定してシーンの流れを箇条書きしていってください。
骨組みを作っておくと、パズルのように穴埋めをしたり、エピソードの追加をしたりでどんどんと展開が深まっていきます。
ラストシーンが変わることもありますが、それはそれで物語が膨らんだ証なので好ましいことでもあります。
そして、それらを盛り上げるために、謎に対しては読者にヒントを匂わせて伏線を張っていきましょう。
謎に対する伏線の張り方次第で、その作品が名作となるかどうかの分かれ道ともなるので、プロットと伏線をうまく使って面白い作品を生み出してみてください。
・プロットはシーンの流れ
・プロットがあると矛盾なく書きやすい
・着地点から逆算して伏線を張る