
ライトノベルの一大ジャンルと言ってもいい恋愛ラブコメですが、書く側となると気を付けることもたくさんです。
キャラの魅力とセリフの掛け合い、恋愛に至るまでの過程、複雑な人間関係等々シンプルながらもかなり奥が深いんですよね。
今回はラブコメの書き方について掘り下げてみたいと思います。
目次
ライトノベルでのラブコメの書き方
一般小説とライトノベルでのラブコメの書き方は、似ているようで違います。
【ラノベラブコメの書き方】
- 純愛よりも複数のヒロインとの掛け合い重視
- どこか残念さを設定したキャラ付けを
- 表現方法はわかりやすく楽しければなんでもアリ
一般小説だと何かの障害を乗り越える純愛ものが多いのに対し、ライトノベルでは複数のヒロインとの掛け合いを楽しむ傾向が強いです。
キャラの特徴も、一癖も二癖もあるぐらいの方がウケがいいでしょう。
書き方としては一般的な小説技法を押さえたうえで、ライトノベル独特の楽しく読めるということを重点的に考えて問題ありません。
拡大文字や記号を使ってユニーク性を出せるのもラノベラブコメならではです。
新しい表現方法が出るたびに、こんな手があったかと楽しめるのもライトノベルの魅力のひとつですよね。
これがバトル物だとちょっと安っぽくなってしまうのですが、ラブコメだと斬新だと捉えてもらえる傾向もあります。
これはと思う表現方法があれば試してみるのもひとつの手ですので、むしろ新境地も開拓してみてください。
基本的な小説技法としてはこちらもどうぞ
fa-arrow-circle-rightライトノベル小説の書き方(基本からストーリー作りまで)
ラブコメでは少しずれた主人公を
ライトノベルでのラブコメ主人公の特徴の一つとして、少しずれているという点があります。
【ラブコメ主人公の特徴】
- ほぼ中高生
- どこか捻くれている
- 人気者設定は少ない
年代としては読者層と近い中高生の設定で、リア充ではなく友達が少ないぼっち寄りで、趣味もアニメやゲームという感情移入のしやすい設定が多いです。
最初はマイナス位置からのスタートで、ヒロインを中心とした交流で徐々に周りとも打ち解けていくという展開が王道です。
逆にスポーツが得意で、完璧超人の人気者という設定はほとんどないのではないでしょうか。
そして、主人公よりもさらに癖のあるヒロイン達に振り回されるツッコミ役というのがヒット作の傾向です。
少しズレつつも常識のある主人公が、癖のあるヒロインに振り回されて物語がガンガンに動くという構図ですね。
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少年漫画の主人公だと、努力して勝利を掴み取るという流れが王道ですが、ライトノベル主人公の場合は、努力をすっ飛ばして残念さや卑屈さをウリにするぐらいでちょうどいいかもしれません。
まあ、そこには魅力的なヒロインありきなんですけどね。
ひと癖以上ある魅力的なヒロイン(達)を
ライトノベルやラブコメだけに限りませんが、特に重要なのはヒロインのキャラ付けです。ヒロインあってのラブコメですね。
ヒロインなしで妄想のみで進んでいくコメディ中心も面白いとは思いますが、やはり実りのある恋愛要素があってこそという面が強いので、できるだけ魅力的なヒロインを作り出してください。
そして、ヒロインは完璧美少女よりも、ひと癖以上あって周りを引っ掻き回してくれるぐらいの方が物語が魅力的に動き出します。
おとなしい系でもいいんですけどね。それだけのヒロインだとキャラ立ちが弱いかなというのが正直なところです。(その場合は主人公が頑張ればいいので、主人公とヒロインの相性も重要となってきます)
ヒロインの属性を取り揃える
ライトノベルラブコメでは、ヒロインの属性を取り揃えることも重要です。
読者に全員を好いてもらう必要はありません。どのキャラか一人でも好いてもらえれば読み進めてもらえる面も強く、何派という言葉まで生まれれば勝ちです。
天真爛漫、おとなしい、積極的、クール、ツンツン、病み系等に加えて、ギャップ的なサブ属性も加えてキャラに厚みを出してください。
ロングヘア、ショートカット、黒髪、金髪、巨乳、貧乳、長身、低身長、二―ソックス、ジャージ、アニメ好き、スポーツ好き、おっちょこちょい、しっかり者、等々様々な属性があります。
そこにはあなたの好みをふんだんに含むのもいいでしょう。(むしろその方が楽しく書けるはずです)
キャラ同士の因果関係も作って、セリフの掛け合いを深めていってください。
デレないヒロインもまたいいかもしれませんが、最終回までにどこかでデレてほしいものと思っている読者がほとんどなので、そこはデレポイントを作って達成感を与えてください。
ヒロインの外見描写はどこまでするべき?
小説での外見描写は文章のみとなりますが、ライトノベルでは挿絵が付くのが強みでもあります。(それ目的で購入される部分も大きいです)
外見描写の詳細は好みとこだわりにもよりますが、髪の長さと色はまず描写しておいた方がいいでしょう。
ヒロインはほぼほぼ美少女前提ですし、顔の造形は特徴的な部分だけでもいいです。例えば、性格のきつさを表す目つきだったり、社交的さを表す上がった口角だったりですね。
ただ、そのキャラを表す最大の特徴ぐらいは描写しておいてください。そこにキャラの魅力を加えるのも、キャラ立ちさせる方法のひとつです。
直接的に外見を描写するだけではなく、しぐさや動きで描写するのもおすすめです。
あとはラノベといえば挿絵ですから、イラストでかなり補完されるので描写は最低限でも問題ありません。(感情移入という点では、くどくならない程度に文章で描写する方がおすすめですが)
残念な状態からのカタルシスを
また、ラノベラブコメの場合は、最初から主人公に好意を抱いているキャラクターは少ないです。
少年漫画でのラブコメだと、よくわからずに主人公を好きな女の子達がいたりするものなんですけどね。
ラノベの場合は、残念な状態から恋愛関係に持っていくことでのカタルシスを前面に押し出す方がいいでしょう。
チョロインとも呼ばれますが、それはそれで以後の魅力を描ければ何の問題もありません。「ソードアートオンライン」なんてその最たる例ですよね。
恋愛関係に至るまでの過程をしっかりと
ラブコメというからには恋愛中心のコメディなわけですが、その恋愛関係に持っていくまでの理由付けをしっかりと描いて欲しいところです。
これはライトノベルと言っても例外ではありません。
なんとなく異性を好きになってしまうのも現実なわけですが、そこは小説ですから過程を描いて説得力があるほどに感動や達成感を生み出すことができます。
かっこいいから、かわいいから好きになったじゃダメです。ピンチや障害やエピソードを乗り越えて結ばれてください。
それがトラウマの解消なのか、障害を乗り越えるのか、連帯感を積み重ねるのか等様々ですが、小さなことの積み重ねと合わせての山場も欲しいところです。
設定に関してある程度のご都合主義は仕方ないにせよ、心理面での動きをなんとなくで進めてしまって理由付けが無いのなら読者は置いてけぼりとなってしまいます。


ライトノベルでのラブコメは学園が王道
キャラ以外に舞台も決めなければなりませんが、ラノベの王道は学園ものですね。
主人公の年齢から言っても自然ですし、誰しもが経験しているので書きやすく、感情移入してもらいやすい環境です。
そして、部活という連帯感の共有しやすい環境も簡単に作り出すことができます。
ベストセラー作品はこちらでまとめているのでご参考ください。
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学園もの以外だとファンタジーラブコメ
ライトノベルの読者層的に、社会人が主人公という環境は感情移入してもらいにくいです。(最近では読者層も年代が上がってきて、おっさんものが流行るなどの傾向も出てきましたが)
中高生をターゲットとするなら、学園もの以外ではファンタジーということになるでしょう。
ファンタジー+バトル+ラブコメという図式ですね。
ファンタジー系だと、現実世界では描きにくいハーレム系になりがちですが、現代社会に縛られない様々な角度からラブコメを描くことができるのでおすすめの世界観設定のひとつです。
ネタ作りのコツはライトノベルのラブコメだけじゃない
作家側としては、キャラ作りやストーリー展開において悩んだり行き詰まったりすることもあるでしょう。
そんな時のネタ作りのコツとして、他作品からの刺激がおすすめです。(あくまでもパクリじゃなく参考と刺激ですよ)
そしてそれはライトノベルのラブコメだけに限りません。
いやむしろ、作品の幅を広げるためにライトノベル以外からの刺激が必要です。
それが漫画でもアニメでもいいですし、恋愛ならドラマや映画なんかも相性がいいです。
ぜひ他ジャンルからの刺激も取り入れてみてください。


まとめ
ライトノベル恋愛ラブコメの書き方でした。
ストーリーも重要ですが、魅力的なキャラが最も重要です。
感情移入しやすい環境と主人公、そして個性的で魅力的なヒロインを作り出して、物語を力強く動かしてください。
ただ、表面上は力強く動いていても、裏では繊細な設定や辻褄合わせをして、恋愛に至るまでの過程に説得力を持たせましょう。
色々なパターンが生まれるライトノベルのラブコメですが、王道かつオリジナリティを吹き込んで、ぜひあなたの手で名作を世に送り出してみてください。
・ラノベ恋愛ラブコメは癖が強いくらいで
・魅力的な主人公とヒロインを
・残念さを乗り越えるカタルシスも