
・キャラの魅力を前面に
・世界観の羅列はNG
ライトノベル小説の書き方で重要なことはたくさんですが、そのひとつが「冒頭の書き出し」です。
そしてそれがまた難しくて、苦手な方にとっては悩みの種でもあるんですよね。
冒頭の掴み次第で、本文への導入具合が全く違ってくるので、まずは書き出し部分に命を吹き込んであげてください。
「最初から読者に感情移入させる」これが大きなコツです。
ライトノベル冒頭の書き出し
ライトノベル、小説冒頭の書き出しについてですが、どうやって物語に感情移入してもらえるかを考えましょう。
「○○暦○○年、○○王国の○○を父に持つ○○。○○王国の侵略によって~~」のような固有名詞を使いまくった世界観説明の羅列は、冒頭としてはかなり厳しいです。
作者側からすると、順々に説明したい気持ちもわかるのですが、興味がないものの説明は読者の頭に入りません。まずは興味を持ってもらうことに尽力しましょう。
いきなりどこかの緊迫した場面か、主人公の状況や心情、魅力的なキャラを見せるというのが掴みとしてはおすすめの書き方です。
何が起こるんだ。このキャラはどうなるんだ。というスリルとインパクトを見せつけてください。
設定の説明は、読者が状況やキャラに興味を持ってくれた後からでも間に合います。
冒頭書き出しのコツ
「冒頭で死体を転がす」という言葉もあるように、書き出しでいきなり事件性を見せると何かが起こるワクワク感を引き出せることでしょう。
書き方としては無数にありますが、売れている人気作品の冒頭を参考にしてみるのが一番です。
普通でつまらないより冒頭よりも、インパクト重視でこれから起こるドラマを予感させましょう。
【冒頭書き出しのコツ】
- インパクトを見せる
- 見せ場を作る
- バトルやピンチで臨場感を
一般小説だと文学的に始まることも多いですが、ライトノベルだとわかりやすく感情移入しやすい冒頭がおすすめです。
バトル物なら戦闘シーンから始まってもいいですし、いきなり謎の人物とのコンタクトでもいいでしょう。
恋愛系なら告白から始まってもいいですし、コメディでもトラブルから書きだしてもワクワク感があります。
これらに共通するのはこれから始まる物語を予感させるということですね。インパクトと見せ場を意識して冒頭と序盤を作り出してください。
キャラの魅力を前面に
冒頭の書き出しからキャラの魅力を出していくというのも、なかなかに優れている手法です。
特に、ライトノベルで求められてるのは魅力的なキャラ達ですからね。
「このキャラ今後どうなるんだ」「このキャラ好きだな」「このキャラに復讐してほしい」なんでもいいです。インパクトのあるキャラで感情を引き寄せてください。
主要キャラのやり取りで作品の雰囲気を伝えることもできますし、世界感から入るのではなくキャラから入るということも意識してみましょう。
冒頭書き出し例文
書き出し例文としては、世に出ている名作を手に取ってみるのが一番でもあります。
ネット小説サイトだと、無料でいくらでも冒頭を見放題ですしね。
参考WEB小説投稿サイトおすすめ7選比較
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例えばバトル物の冒頭だとして、「この○○の世界では魔法を使える者がいる」だと魔法が使える世界ということはわかりますが、感情移入はしにくいですよね。
それなら「目の前のミノタウロスが炎に包まれ、灰となった。これでも手加減したつもりなのだが、どうにも俺の魔法は強力すぎる」とかの方が臨場感が出るじゃないですか。
例えば、恋愛ものだとすると、
なぜ俺は学年一の美少女に告白されているのだろう。
みたいな告白のセリフの書き出しでも何かが起こる予感がしますし、
いつもの下駄箱を開ける。
そこには見覚えのない手紙が入っていて、そのシールはハートマーク。
のような地の文のテンポの良さでもいいでしょう。
コツとしては、カメラの位置を遠くからの俯瞰ではなく、目の前に置くことです。
その人物に入り込むということを意識してみてください。感情移入によって引き込まれる冒頭を書き出せるはずです。
プロローグに何を書く?
本編に入る前にプロローグ(序章、イントロダクション等)がある小説も多いです。
特に、ライトノベルだと異世界転生というテンプレがありますし、異世界に行く前の前世での死に方ですね。
プロローグは読まなくても本編がわかる程度の内容にとどめておき、少し謎を残す程度でもいいでしょう。
あまりに詳細で長いプロローグはそれだけでげんなりしてしまうこともあります。
この辺りはそれぞれの感覚にもよると思いますが、文字数換算で5000文字が限界でしょうか。1000~2000字でさらっとしたプロローグがいいかと思います。
ラストから逆算して冒頭を書き出す
これはプロットを組んで、ラストを想定していないとできない手法ですが、ラストから逆算して冒頭を書き出すというのはなかなかに味のある方法です。
【プロットの組み方】
- シーンとエピソードを箇条書き
- 着地点と通過点に向けてエピソードを追加
- 順々じゃなく、穴埋めや拡大式でも◎
プロットの組み方としてはこのような感じですね。
ラストシーンの盛り上がりというのは、それまでのストーリーの積み重ねで決まります。
特に冒頭のシーンと繋がっていると、作者は最初からこれを想定していたのかと感動してしまうことすらあるんですよね。(これは長編よりも、まとめやすい短編に多いかもしれません)
例えば、ラストシーンがヒロインに膝枕をしてもらって終わるとしましょう。じゃあ、冒頭にもその膝枕のシーンを持って来ればひとつのまとまりが生まるはずです。伏線にも使えますよね。
書き出しとラストのセリフが同じでもオシャレだと思いますし、冒頭で戦っていた相手とラストに戦うのでもいいでしょう。キーアイテムを出してしまうのもよさそうです。
冒頭をラストから逆算して書くというのは高い技術も必要ですが、ひとつのパターンとして覚えておいてください。
プロットと伏線についてはこちらもご参考ください。
fa-arrow-circle-rightライトノベル小説の書き方(プロットと作り方と伏線の張り方)
タイトルとあらすじも見直して
書籍の場合は、買ったからにはある程度を読んでもらえますが、小説家になろう等のネット小説サイトではタイトルとあらすじが入り口となります。
冒頭を読んでもらう前の第一関門のタイトル、第二関門のあらすじで脱落してしまうのはもったいなさすぎます。
せっかく練った冒頭を書き出したのなら、タイトルとあらすじでしっかりとした入り口を作ってあげましょう。
まとめ
ライトノベル冒頭書き出しのコツでした。
正解もたくさんありますし、不正解はそれ以上にたくさんあります。
それぞれの得意な見せ方もできてくるとは思いますが、冒頭からドラマ性を見せ、キャラの魅力を前面に出すことを意識してみてください。
・冒頭からドラマ性を
・キャラの魅力を伝える
・世界観の説明はNG